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2020 年度 実施状況報告書

世界で初の焦点決定理論―更なる拡張と応用

研究課題

研究課題/領域番号 20K04982
研究機関横浜国立大学

研究代表者

郭 昌俊 (郭沛俊)  横浜国立大学, 大学院国際社会科学研究院, 教授 (60325313)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード焦点決定理論 / 2レベル計画問題 / 確率計画問題 / 新聞売り子問題
研究実績の概要

本年度に実施した研究の成果の具体的内容は以下のようになっております。
焦点決定理論(The focus theory of choice)を用いて、新聞売り子問題を分析しました。本研究では小売業者の意思決定の手順を2段階と想定しています。第一段階では、各需要の発生する確率と、その需要が実現したときに得られる発注量ごとの利得に対する満足度に基づき、小売業者の焦点需要に対する選好によって、すべての可能な需要の中から最も顕著な需要が一つ選ばれます。選ばれた需要をこの発注量の焦点需要とします。第二段階では、小売業者は、すべての注文数量の焦点需要をベースにして、最適な注文数量を選択します。この意思決定プロセスを上位、下位という2レベルの最適化によって定式化しました。第一段階での意思決定は下位レベルのプログラムと対応し、第二段階での意思決定は上位レベルのプログラムと対応します。この新しいフレームワークの下で最適な注文量を導き出し、最適解の数学的特性を分析しました。
研究の成果の意義と重要性は以下のようになっております。
ポイント1: 従来の新聞売り子モデルは期待効用理論をベースにしたものなので、意思決定の一回性を反映したものにはなり得なかった。本研究は「最も注目される基本事象を有する選択肢は意思決定者に選ばれた最適選択肢である」という根幹的な主張を持つ焦点決定理論によって、新聞売り子問題を再分析しました。これによって、小売業者の注文決定の背後にある心理的な要素を洞察することが可能になります。ポイント2:下位レベル最適化問題は制約のないマキシミン問題で、微分不可能であるため、既存の最適化アプローチが適用できません。本研究では、従来解決できなかった最適化問題を解く方法を提案しており、最適化理論において重要な貢献であります。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

制約のない確率計画問題を焦点決定理論に基づき、上位レベル、下位レベルの2レベル最適化によって定式化しました。
上位レベル最適化問題と下位レベル最適化問題における最適解を求める方法を開発し、新聞売り子問題に適用しました。これは最適化理論において重要な貢献となります。

今後の研究の推進方策

開発しました上位レベル最適化問題と下位レベル最適化問題の最適解を求める方法を一般化し、制約のある確率計画問題に適用したうえで、不確実性下の多段階意思決定問題などに拡張します。

次年度使用額が生じた理由

2020年1月からの新型コロナウイルスの世界的な蔓延で、予定していました国際会議への参加・論文発表および海外共同研究者の招へいなどが実施できませんでしたので、次年度使用額が生じました。次年度は、新型コロナウイルスの国内外の状況を見極めつつ、翌年度分として請求しました助成金と合わせ、研究成果をよりよく達成するために研究活動を実行していく予定です。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021 その他

すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件) 備考 (1件)

  • [国際共同研究] University of Windsor(カナダ)

    • 国名
      カナダ
    • 外国機関名
      University of Windsor
  • [国際共同研究] Shanghai University(中国)

    • 国名
      中国
    • 外国機関名
      Shanghai University
  • [雑誌論文] Solving Newsvendor Problems with the Focus Theory of Choice2021

    • 著者名/発表者名
      Xide Zhu, Kevin W. Li, Peijun Guo
    • 雑誌名

      SSRN ( Elsevier )

      巻: - ページ: -

    • 国際共著
  • [備考]

    • URL

      https://er-web.ynu.ac.jp/html/GUO_Peijun/ja.html

URL: 

公開日: 2021-12-27  

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