研究課題/領域番号 |
20K04990
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
中島 健一 早稲田大学, 社会科学総合学術院, 教授 (80278564)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | サプライチェーン / 経営工学 / 持続可能性 |
研究実績の概要 |
モノづくりにおける我が国の国際競争力の源泉ともなってきた総合的マネジメントシステムは,総合的品質管理(TQM),作業研究に代表されるインダストリアルエンジニアリング(IE)等を活用し,品質(Q: Quality),コスト(C: Cost),納期(D: Delivery)を複合的に評価して,継続的改善によるシステムのスパラルアップを実践してきた. 本研究では,今日のデジタルトランスフォーメーション(DX)に象徴される情報通信技術(ICT)を活用したビジネスプロセスの管理・運用等を考慮し,QCDの評価に加え,SDGsとしてもよく知られる持続可能な開発目標を実現するための課題である環境(E: Environment)側面も考慮し,超スマート社会におけるサプライチェーン・マネジメントシステム(SCM)の構築について検討を行うものである. 2022年度に引き続いて2023年度においては,新型コロナウィルス感染症拡大の影響等を受け遅延していた企業・組織に関する現地調査や当該テーマに関するシステムモデリングに関しての検討を行った.具体的には,アメリカボストンを訪問し,Northeastern university Prof. Guptaとの再製造システムに関する研究モデルに関する議論や,欧米における持続可能性を考慮した閉ループサプライチェーンの状況に関する情報収集を行った.また,国内の中部・関西地域を中心に生産・物流プロセス革新を行ういくつかのメーカーに関して,現地調査を実施し,生産性や品質・環境マネジメントシステムにおける革新的な取組みに関する現地調査を行うことができた.さらに,国内外での学会において,これらの内容を含めた本研究テーマに関する研究成果発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究テーマの中核となるサプライチェーンに関わる製造現場運営の実務視察やヒアリング調査,実際のオペレーションシステムに基づくシステムモデリングについて,積極的な取組み行ってきた.しかしながら,約3年にわたるコロナ感染症に関する影響が非常に大きく,当初計画通りまでには至っていない状況であり,現在の進捗としては,予定よりやや遅れた状況となっている.
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今後の研究の推進方策 |
本研究テーマの中核となるサプライチェーンに関わる製造現場運営の実務視察等に関して,2023年度に実施された研究内容を基礎として,さらに気候変動等の環境への配慮要因として重要となるビジネス環境や制約要因に関して,国内外におけるフィールド調査・研究を進める予定である.さらに,国内外の学会・研究会等を通じて,関連分野の研究者らとの討議を重ね,持続可能社会へ貢献するサプライチェーンマネジメントシステムの構築・最適運用についての提案を行う.
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症等による遅れを取り戻すべく2023年度も研究を推進してきたが,計画当初から予定された企業.組織体の現地調査等の実施遅れを完全に取り戻すまでには至らず,次年度使用額が生じることとなった.今後これまで実施できなかった現地工場調査,関連分野の情報収集を中心に,本研究において必要となる各種経費として使用の予定である.
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