近年、熱交換器内の伝熱強磁性体鋼管の検査に電磁気現象を利用したものとして、大きな直流磁界と微小交流磁界を併用した直流磁化渦電流探傷試験法が存在する。しかし、この手法は2種類の励磁コイルが必要となるため、別々の電源を必要とする。一方、本提案手法は、1個の電源のみで探傷が可能となる新しい検査法である。この手法は、より小型で安価な装置構成が実現できる利点を有している。特に励磁コイルは1個で済むため、電磁気センサ内の励磁コイルの体積を節約し、検出コイルの巻数を増やすことができ、探傷感度を高めることがでる。それゆえ、多管式熱交換器鋼管のスタンダードな検査手法として全国に普及・定着できると思われる。
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