本研究は第一に、フィッシングメールが正しく判別される際の、メールに関する初期の気づきが獲得されるメカニズムを調べた。フィッシングメールへの気づきにはメタ認知スキルが、詐欺メールの中でも判別の難易度が高いとされる標的型攻撃メールには証拠に基づく客観的な思考傾向が貢献することを明らかにした。 また、初期の気づきに関する重要性等の説明を加えた提案形式のプログラムを試作し、これが標的型攻撃メールに対する誤った反応を抑制する効果を評価した。従来形式の教育プログラムと比較した結果、従来形式よりは効果が確認されたものの、十分に効果があると言える程度には達しなかった。
|