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2021 年度 実施状況報告書

キャビテーション着火仮説の検証

研究課題

研究課題/領域番号 20K05020
研究機関国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構

研究代表者

小林 弘明  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 教授 (50353420)

研究分担者 吹場 活佳  静岡大学, 工学部, 准教授 (50435814)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード液体酸素 / 着火
研究実績の概要

2021年度は、研究協力者と共同で、落下衝撃による液中キャビテーション発生状況の高速度可視化観測、非定常圧力計測、温度計測を実施した。これによって、キャビテーション発生時に1MPaクラスの圧力ピークが発生すること、液中衝撃波の発生や局所温度の上昇をとらえることに成功した。また、落下衝撃を発生させる容器の底面形状や液位をパラメータとして、発生圧力ピーク値に与える影響を評価した。底面形状をすり鉢状として底面角度30度とした場合に最大3MPaの圧力ピークを確認し、キャビテーション崩壊による温度上昇と着火の可能性を確認した。また、液体酸素の液適を生成し滴下する装置を設計製作し、機能を確認した。実験時の安全を確保するため、大量の液体酸素を使用する代わりに、必要最小限の液化酸素を生成して滴下させる試験装置を考案した。非断熱の薄肉ステンレス製開放容器に液体窒素を貯留し、77Kの底部外表面に熱交換によって液化した酸素を滴下させる。この試験装置により、液適の帯電による静電気着火の可能性を調査することも可能となった。金属容器に30kV程度の高電圧を印加し、底部外表面から滴下する液化酸素の液適を帯電させ、滴下する際の着火特性を確認する計画である。電圧、落下距離、落下対象の素材をパラメータとして2022年度に試験を実施する。また、能代ロケット実験場において本研究とは別に実施された大規模水素サプライチェーン向け分離継手の作動試験において、液体空気の滴下による水素着火現象を再観測し、映像記録に成功したため、これの分析を進めているところである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

2021年度は能代ロケット実験場や大学の研究室が通年で利用できたことから、実験装置の準備を進めることができたほか、液適落下による発火現象の実サンプルを取得することにも成功している。

今後の研究の推進方策

2022年度は計画通り、2021年度までに整備した実験装置を使用して液体酸素の着火実験を行い、液適の落下エネルギーや帯電状況が発火に与える影響を評価する。

次年度使用額が生じた理由

相応の金額の有効な使用方法がなかったため。次年度の実験用消耗品費として使用します。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 液体ロケット技術をベースとした液体水素の安全利用技術2021

    • 著者名/発表者名
      小林弘明
    • 雑誌名

      Explosion

      巻: 31 ページ: 177-179

    • 査読あり

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公開日: 2022-12-28  

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