2022年度は、研究協力者と共同で、レーザーによる液中キャビテーション発生状況の高速度可視化観測、非定常圧力計測、温度計測を実施した。これによって、キャビテーション発生時に圧力ピークが発生すること、液中衝撃波の発生や局所温度の上昇をとらえることに成功した。これらの学術成果についてとりまとめ、学会講演会等での報告を行った。また、2021年度に作成した実験装置を改修し、可燃性液適を帯電させることで液適の着水時に静電気着火が発生することを確認した。この際にアースラインにマイクロ秒オーダーで瞬時大電流が流れることを確認した。滴下する液体の種類と滴下距離をパラメータとして、着火の有無や発生電流の関係を取得した。これらの知見をもとに、能代ロケット実験場において本研究とは別に実施された大規模水素サプライチェーン向け分離継手の第2回分離試験を実施した。2021年度に実施された第1回分離試験では着火が起きていたため、高速度カメラやアース電流計測など各種計測を準備していたが、第2回分離試験では着火が発生しなかったため、実大スケールでの現象観測を行うことはできなかった。
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