研究課題
想定外あるいは想定を超える外乱の発生( エマージングリスク)により大規模な機能障害の発生と、その状態からの復旧をモデル化し、システムのディペンダビリティ性能(あるいはレジリエンス性能)を評価する研究に取り組んだ。研究課題を、(1) 外的ショックによる機能障害および回復性能の定量化に関する研究、及び (2) ネットワークトポロジーを用いた最適修理方策、の2つの研究細目に分けて研究を行った。細目(1)では、電力ネットワークをモデルとして、外的ショックに起因する共通原因故障の発生を大規模障害の発生としてモデル化し、各ノードに供給する総電力量を評価尺度としたシステムレジリエンスの評価方法を考案した。総電力量はノードの需要量に相当するノード重みと送電線の許容電流に相当するエッジ容量を考慮した。細目(2)では、ネットワークの総電力供給量を尺度としたエッジの重要度を提案し、修復完了時に電力供給量が最大となる故障エッジを選択する方法を検討した。両方の研究細目において、従来はノードの連結数を尺度としたレジリエンス評価であったが、総電力供給量を評価尺度としたことが特徴であり、この手法により、より現実的なネットワークのレジリエンス評価が可能となった。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 3件)
IEICE Transactions on Fundamentals of Electronics, Communications and Computer Sciences
巻: E105-A ページ: -
10.1587/transfun.2023EAP1011