研究課題/領域番号 |
20K05035
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研究機関 | 摂南大学 |
研究代表者 |
小林 健治 摂南大学, 理工学部, 准教授 (50736676)
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研究分担者 |
木多 彩子 摂南大学, 理工学部, 教授 (90330357)
池内 淳子 摂南大学, 理工学部, 教授 (90450254)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 保健所 / 室構成 / 面積 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、保健所の日常を把握するために近畿圏に現存する保健所図面を入手し、室構成と面積に関する分析を行った。その結果、室構成は大きく「業務」「診療」「指導」「附室」の4部門からなること、それ以外に「検査」部門を有する保健所があることを明らかにした。また面積は、敷地面積の平均値は2615㎡(最大値:3801㎡、最小値:1598㎡)、延べ床面積の平均値は3483㎡(最大値:4633㎡、最小値:2839㎡)、業務部門事務室が最も大きく(平均値:205㎡)、次いで講堂(平均値:125㎡)、ロビー(平均値:113㎡)、レントゲン室(平均値:74㎡)となることを明らかにした。これらの基礎資料は、研究成果としてこれからの保健所を活用、議論するための資料となる。また令和3年度の保健所建築の提案に向け、保健所を管轄する行政庁および参加いただく実務家へのヒアリングをおこない、協力いただく内諾を得た。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究計画書で予定していた保健所の現地調査は今年度に実施することができなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和2年度は、保健所を管理する自治体から簡易図面を入手し、計画指標作成のための基礎資料として、室構成と面積を把握することができた。また保健所に関する文献資料を入手し、戦後から現代までの我が国における保健所の状況を把握することができた。さらに、令和3年度に実施予定のコンペ(=実務家による提案)に参加してもらう建築家3名への事前ヒアリングを行い、了承を得ることができた。令和2年度は、新型コロナウイルス感染症の影響により、研究計画書に記載していた保健所へ訪問しての観察調査やヒアリングを行うことが出来なかったが、概ね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
令和3年度は研究の2年目であり、これからの保健所を実務家が提案する大事なフェーズである。令和2年度の遅れを取り戻すために、調査範囲を広範に設定し(例えば、元保健師へのヒアリングなど)、仕様書の作成、建築の提案へと繋げていきたい。諮らずも新型コロナウイルス感染症により保健所は注目を集めているので、当初の研究目的だけではなく、より社会に役立つ研究成果を提示できると確信している。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度には現地調査として旅費を計上していたが、新型コロナウイルス感染症の影響により実施出来なかった。令和3年度も状況が好転しない恐れが高いことから、それを取りやめ、保健所建築の提案および計画指標作成に向けたアルバイト要員などを確保し、当初の遅れを取り戻し、最終のとりまとめに向けて精力的に取り組みたい。
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