当該年度の研究工程の内容は,①模型斜面模型の水分量変化の長期測定の継続,②測定期間中に定期的に斜面よりサンプリングを行い,遮水材の接触角測定試験を実施して,疎水特性の変化を追跡,である。①については,昨年度と同様に,自然暴露して設置している模型土槽内の土壌水分計による計測と,雨量計による降雨量の測定を継続して行った。また,②については設置した遮水層の一部を掘り起こし,試料採取した後,新たな洒水材料で埋めて補修する方法で試料をサンプリングした。そして,得られた試料を用いて,接触角測定試験を実施した。令和4年度には,雨量計で最大18㎜/hrの降雨が観測された。しかし,遮水層の下に設置した土壌水分計は,4種類の遮水材に対して反応は見られなかった。②については,令和5年3月末までの1年間に3回の計測を行った。測定された接触角は平均105°となり,自然暴露条件下においても疎水性を保つことが実証された。 模型土槽は令和5年3月末で通算約26カ月の暴露期間となっているが,遮水機能が失われる状況は確認されていない。そのことは,令和5年度に行った摂食角測定試験の結果からも実証されたことになる。本研究は,できるだけ安価で簡単な方法で遮水材料を作製し,遮水層を設置することを一つの目的としている。このため,市販のコンクリート養生材を希釈した溶液を用いて遮水材を作製した。模型土槽による遮水層は26か月間,遮水機能鵜を維持しており,本方法の有効性が実証されたと考えられる。
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