第一原理計算に基づく組織シミュレーションによる磁石材料の探索に取り組んだ。局所原子位置緩和の問題を克服するため、規則構造の初期緩和と選別の手法を構築した。また、FeM(N,Vac)3副格子構造モデルを使用して、異なる置換型元素による相互作用の評価と組織計算を行った。その結果、Mnを添加した合金系が安定で高い磁気モーメントを持つことが示された。さらに合成実験では、Fe90Ti5N5およびFe90Mn5N5の粉末試料をボールミル法で合成したが、軸比の増大は確認されなかった。窒素挿入方法の見直しと測定法の改善の検討が今後の継続課題として残る。
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