研究課題/領域番号 |
20K05066
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研究機関 | 愛知工業大学 |
研究代表者 |
坂 公恭 愛知工業大学, 総合技術研究所, 教授 (90023267)
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研究分担者 |
岩田 博之 愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | レーザ照射 / ボイド / シリコン / 雰囲気 |
研究実績の概要 |
レーザ照射によって生成したボイドの熱的安定性を調査するため、950℃まで加熱し、ボイドの形状を赤外線顕微鏡で観察した。その際、雰囲気の影響の有無を調べるため、真空中、および大気中で加熱した。 大気中で加熱した結果、ボイドの形状の変化はほとんど無かったが、真空加熱ではボイドが消滅した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察の結果、加熱前のボイドの寸法は直径約1μm のボイドが1~3個存在していたが、真空加熱後には直径1μm以下の多数の微細なボイド(ナノボイドと呼ぶことにする)に変化していた。そのため赤外線光学顕微鏡では分解能以下であたかもボイドが消滅したかのように見えた ボイド内が真空と仮定すると、この.ボイドの細分化は説明がつかない。なぜなら、ボイドの細分化によりボイドの表面積が増加するため、系全体のエネルギーが増すことになるからである。一方、大気中加熱ではこのようなボイドの形状変化は起きなかったことから、この現象には雰囲気が影響していると考えられる。これが今年度の研究実績である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画では,加熱によるボイドの形状変化に及ぼす雰囲気は全く予想されていなかった。その意味でこれは大きな発見であり、当初の計画を大幅に超えていると判断できる。
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今後の研究の推進方策 |
加熱に伴うボイドの形状変化のに及ぼす雰囲気の影響の本性を確かめるため、大気中、真空中、不活性ガス内で同様の実験を継続する、さらにこれまでの実験ではcz-Siを用いてきたが、より高純度のfz-Siについても同様の実験を開始する
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナビールスのため、当初予定していた学会等への参加が出来なかったため。 当初の計画に沿って研究を実施する予定。
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