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2021 年度 実施状況報告書

レーザによるボイド生成の機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K05066
研究機関愛知工業大学

研究代表者

坂 公恭  愛知工業大学, 総合技術研究所, 教授 (90023267)

研究分担者 岩田 博之  愛知工業大学, 工学部, 教授 (20261034)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワードレーザ照射 / ボイド / シリコン / 雰囲気
研究実績の概要

レーザ照射によって生成したボイドの熱的安定性を調査するため、950℃まで加熱し、ボイドの形状を赤外線顕微鏡で観察した。その際、雰囲気の影響の有無を調べるため、真空中、および大気中で加熱した。
大気中で加熱した結果、ボイドの形状の変化はほとんど無かったが、真空加熱ではボイドが消滅した。透過型電子顕微鏡(TEM)観察の結果、加熱前のボイドの寸法は直径約1μm
のボイドが1~3個存在していたが、真空加熱後には直径1μm以下の多数の微細なボイド(ナノボイドと呼ぶことにする)に変化していた。そのため赤外線光学顕微鏡では分解能以下であたかもボイドが消滅したかのように見えた
ボイド内が真空と仮定すると、この.ボイドの細分化は説明がつかない。なぜなら、ボイドの細分化によりボイドの表面積が増加するため、系全体のエネルギーが増すことになるからである。一方、大気中加熱ではこのようなボイドの形状変化は起きなかったことから、この現象には雰囲気が影響していると考えられる。これが今年度の研究実績である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

当初の計画では,加熱によるボイドの形状変化に及ぼす雰囲気は全く予想されていなかった。その意味でこれは大きな発見であり、当初の計画を大幅に超えていると判断できる。

今後の研究の推進方策

加熱に伴うボイドの形状変化のに及ぼす雰囲気の影響の本性を確かめるため、大気中、真空中、不活性ガス内で同様の実験を継続する、さらにこれまでの実験ではcz-Siを用いてきたが、より高純度のfz-Siについても同様の実験を開始する

次年度使用額が生じた理由

コロナビールスのため、当初予定していた学会等への参加が出来なかったため。
当初の計画に沿って研究を実施する予定。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2021

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] パルスレーザ集光により生ずるサファイヤ結晶欠陥の性状と加工効率”2021

    • 著者名/発表者名
      岩田博之、河口大祐、坂公恭
    • 雑誌名

      愛知工業大学総合技術研究所の研究報告

      巻: 23 ページ: 64-65

  • [雑誌論文] 内部集光型レーザダイシングを用いたTEM試料作製の前処理手法2021

    • 著者名/発表者名
      岩田博之,高木誠,坂公恭
    • 雑誌名

      顕微鏡

      巻: 53 ページ: 139-142

    • DOI

      10.11410/kenbikyo.56.3_139

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Whereabouts of missing atoms in a laser-injected Si (Part Ⅱ) Precision mass measurement of a laser-injected Si wafer and re-examination by transmission electron microscopy2021

    • 著者名/発表者名
      H.Saka, H.Iwata
    • 雑誌名

      名古屋大学電子光学研究のあゆみ

      巻: 32 ページ: 18-26

  • [図書] Practical electron microscopy of lattice defects2021

    • 著者名/発表者名
      Hiroyasu Saka
    • 総ページ数
      308
    • 出版者
      World Scientific Publishing Co.
    • ISBN
      978-981-123-469-9

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公開日: 2022-12-28  

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