研究課題
磁気冷凍材料に対して作成した機械学習モデルをもとに、ErB2の合成を行い磁気エントロピー変化量を評価した。その結果、5 Tまでの磁場変化において26 J kg-1 K-1と比較的大きなエントロピー変化を見出した。また機械学習モデルが予測したように、その値は類似物質HoB2の40 J kg-1 K-1 を下回ることを見出した。本結果は後述の機械学習モデルの解釈とともにSTAM:Methods誌にて発表した。スクリーニングのための機械学習モデルから指針を得るための取り組みを行った。SHAPと呼ばれる、特徴量の組がその値であることによる予測値への部分貢献度を得る解析を行い、作成したモデルで用いた組成記述子ごとのSHAP値可視化から、学習データを機械学習モデルがどのように解釈したのか、その結果用いるべきまたは避けるべき元素の組み合わせはどれか、の情報が得られることを見出した。本結果は前述のErB2の結果と合わせ、STAM:Methods誌にて発表した。並行して行った物質探索においてとりわけ、本研究が対象としているメタ磁性体であるErCo2において、部分置換試料において母物質のErCo2の磁気エントロピー変化量を上回る値を観測した。合金の電子状態を計算コストパフォーマンスよく扱えるKKR-CPA法を用い、第一原理計算による解析を行い、本結果について特許申請を準備中である。本試料の探索測定においては、本研究遂行期間中、前年度にDigital Discovery誌で報告した、ニューラルネットワークを用いた非線形な予備測定データによるシミュレートを効果的に用い、効率的な測定を行うことができた。
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