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2020 年度 実施状況報告書

One-pot重縮合π共役系ポリマーによるナノカーボン材料の高機能化

研究課題

研究課題/領域番号 20K05101
研究機関熊本大学

研究代表者

西山 勝彦  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 准教授 (10202243)

研究分担者 吉本 惣一郎  熊本大学, 産業ナノマテリアル研究所, 准教授 (30323067)
高藤 誠  熊本大学, 大学院先端科学研究部(工), 教授 (50332086)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード重縮合ポリマー / π共役系 / 触媒機能 / ナノカーボン修飾
研究実績の概要

酸素還元に使用される触媒の白金が高価で あるため、遷移金属及び窒素などを利用した非白金カソード触媒が研究されてきた。ポルフィリンはπ共役系であり、金属イオンと安定な錯体を形成可能であるため、酸素還元の触媒として期待されている。一方、OH基を持つ芳香族と三級アミンを重合させることで真球状微粒子が調製可能で、シリカナノ粒子にも被覆可能であることが報告されている。本年度は、1,3,5-トリメチル-1,3,5-1トリアジン(TA)とOH基を有するポルフィリン類をカーボンの表面で反応させ、ポルフィリン重縮合ポリマー修飾電極の酸素還元触媒機能を検討した。4-ヒドロキシベンズアルデヒド、ピロールをプロピオン酸で加熱し、TPP(OH)4 を合成した。CoTPP(OH)4 はCoCl2 無水物と TPP(OH)4 を プロパノール中で反応させ合成した。同様に FeTPP(OH)4 は FeCl2・4H2O、MnTPP(OH)4 は MnCl2・H2O と TPP(OH)4 をエタノール中で反応させ合成した。合成した各ポルフィリンと TA、カーボンブラック(CB)又 は、カーボンナノチューブ(CNT)を用いてポルフィリン修飾カーボンを作成し、ナフィオンのメタノール溶液に分散させて Pyrolytic Graphite 電極にキャストした。この電極表面の酸化還元反応を CV により評価した。MnTPPポリマーよりも、Fe TPPポリマー、Co TPPポリマーの方がより酸素還元触媒能があることが分かった。また、担体を比較したところ、カーボンブラックよりカー ボンナノチューブの方が、電流密度は大きいが、過電圧も同時に高くなることが分かった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初、フタロシアニンを用いた重縮合ポリマーを検討していたが、予想していたよりも合成が困難であった。そこで、ポルフィリンに着目し、重縮合ポリマーをナノカーボン上で合成し、酸素還元の触媒機能を検討したところ、中心金属としてFeを有するFeTPPポリマーの場合に高い触媒機能が得られることが判明した。

今後の研究の推進方策

ポルフィリンで得られた知見を基に当初の計画であったフタロシアニン系への展開を試みる。新たな合成法によって高い収率で機能性フタロシアニンが合成可能であるので種々の中心金属を有するフタロシアニンの重縮合ポリマーの触媒機能を検討すると共に、真空加熱によるπ共役系の展開も試みる。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルスのため、参加予定であった国際会議がキャンセルとなったり、オンラインでの開催となったため、旅費があまることとなった。また、購入予定であった赤外分光器の部品もコロナウイルスの蔓延のため、購入できなかった。今年度は状況も回復するため、適正な予算の執行が可能となるものと考えられる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2021 2020

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] アントラキノン重縮合ポリマー修飾ナノカーボンの電気二重層キャパシタへの展開2021

    • 著者名/発表者名
      西山 勝彦,山口 海生,新屋 絢太,吉本 惣一郎
    • 学会等名
      電気化学会
  • [学会発表] Application of Nanocarbons Modified with Anthraquinone Polycondensation Polymer to Electrochemical Double Layer Capacitance2020

    • 著者名/発表者名
      K. Nishiyama, K. Yamaguchi, H. Minamoto, S. Yoshimoto, and M. Takafuji
    • 学会等名
      Prime2020
    • 国際学会

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公開日: 2021-12-27  

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