研究課題/領域番号 |
20K05110
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研究機関 | 富山県産業技術研究開発センター |
研究代表者 |
山岸 英樹 富山県産業技術研究開発センター, その他部局等, 副主幹研究員 (50416153)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | スポット鍛接 / 異材接合 / 金属間化合物 / Fe/Al |
研究実績の概要 |
本研究は、申請者らが近年開発したハンマリングによる固相での高速・高強度異材接合プロセス(鍛接法)を、輸送機器軽量化の実用化技術とするため、車両に用いられる種々のアルミニウム合金を対象とし、本法の適用範囲を拡張、各接合機構の解明とともに、機械的性質など継手性能に対する加工条件範囲のデータベースを構築するものである。これにより、生産性などプロセス面で実用化が困難な固相接合の問題を解決、高強度・ハイサイクル・低コストを実現する競争力の高いマルチマテリアル技術を確立する。 初年度は、市場でも最も必要とされているFe/Al異材接合に対応できない従来溶接機・接合技術の問題を解決するため、次世代のスポット固相接合装置開発に向けた基礎的検討として、高張力鋼板とアルミニウム合金シート材(各1mm厚)の重ね接合において「スポット鍛接法」を開発した。低温かつ極短時間加工(数十ms)により、接合界面の反応層厚みを10 nm程度に抑制、実質IMCフリー接合を実現した。破壊形態はアルミニウム合金側の母材破断(プラグ破断)となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
「スポット鍛接」については、Fe/AlのほかにもCu, Ni, Ti, Mgなどの間で幅広く実証試験を実施、基礎的な接合原理を確立し特許を国際出願した。また当該技術の成果発表として、書籍1編(分担執筆)、国際誌論文発表2編、国内学会発表2件、全国紙新聞報道1件及び経産省事業において企業向けの講演(招待)を1件行った。
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今後の研究の推進方策 |
幅広い材料間の組合せや種々の加工条件が接合界面に及ぼす影響などを探求することで鍛接法の高度化を進め、革新的異材接合技術として新たな研究領域を創造する。異材接合の材料制限を打ち破る次世代の接合基盤技術として確立し、様々な製品への実用化展開を図る。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度:コロナ禍であり旅費を中心に費用支出が減ったため。 2021年度使用計画:スポット鍛接法の実験において金型材料及び供試材料を中心に支出する。論文発表、学会発表なども積極的に行う。
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