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2022 年度 実績報告書

酸化膜被覆Ti合金の界面微細構造解析と複合材としての力学特性予測

研究課題

研究課題/領域番号 20K05119
研究機関兵庫県立大学

研究代表者

三浦 永理  兵庫県立大学, 工学研究科, 准教授 (70315258)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードTi合金 / 酸化物 / 界面構造 / 複合材料 / 力学特性 / 有限要素法
研究実績の概要

高い耐剥離性を示す膜厚と界面組織を形成する組成と,高い剥離強度を示す構造モデルとの比較を行った.実験結果をFEA構造モデルにフィードバック し,剥離試験結果との整合性を検討した.実験結果とFEA応力解析結果を併せて検討する事により,複合材としての力学特性や耐剥離性への基板や酸化膜,界面 の力学特性や組織等の材料由来の因子と膜厚や試料形状等の形状由来の因子が,各々どの程度機械的性質に寄与するか明確になる.更に,様々な試料形状で応力分布解析を行い,実験結果と比較検討した.
Ti-20Nb合金は, TiへのNb添加により酸化膜の緻密性と界面の連続性が向上し, 高い剥離強度を示す. ある膜厚までは肥厚化に伴い,剥離強度は上昇し, ピークを越えると降下することが分かっている. そこで, 本研究ではTi-20Nb合金とその高温酸化被膜をモデルとして, 有限要素法で数値解析と実験での耐剥離性評価を用い, ANSYSの数値解析を用い, 界面連続性と膜厚が耐剥離性に及ぼす影響について調査した.Ti-20Nb酸化膜の膜厚及びヤング率の実測値を用い,FEAモデルは基板上にヤング率を傾斜させた中間相を挿入したモデルを作成し,界面応力傾斜の傾きを変化させた板状モデルを作成した.面垂直方向への引張り応力に対する相当応力を計算した.
計算結果では,ある一定の膜厚(18 μm)で, 最大剥離強度63 MPaと算出された. 膜厚が増加すると, 相当応力は減少した. また, 中間層数0 ~ 1層では相当応力が減少し, 2 ~ 4層では増加した.本計算結果は,実際の合金酸化膜の剥離強度の膜厚依存性と比較して,特に高応力側で定性的な一致が見られた.本結果から,Ti-20Nb合金酸化膜の密着性には合金基板と酸化膜界面に存在する微細粒で構成される界面反応層がヤング率傾斜層の役割を果たし,界面強度向上に寄与することを示す.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 生体用Ti合金のフレッティング摩耗2022

    • 著者名/発表者名
      三浦永理
    • 雑誌名

      まてりあ

      巻: 61 ページ: 419-425

    • DOI

      10.2320/materia.61.419

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] PEO処理によるNi-Ti合金への高耐剥離性被膜の成膜条件の検討2022

    • 著者名/発表者名
      上田 峻也,三浦 永理
    • 学会等名
      日本金属学会秋期講演大会
  • [学会発表] MM法によるMg被覆Ti粉末およびTi-Mg/TCP焼結体の作製2022

    • 著者名/発表者名
      富永 隼矢,三浦永理
    • 学会等名
      日本金属学会会秋期講演大会
  • [備考] 三浦のページ

    • URL

      https://www.eng.u-hyogo.ac.jp/msc/emiura/

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公開日: 2023-12-25  

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