研究課題/領域番号 |
20K05121
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研究機関 | 沖縄工業高等専門学校 |
研究代表者 |
津村 卓也 沖縄工業高等専門学校, 機械システム工学科, 准教授 (00283812)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 難燃性マグネシウム合金 / めっき鋼板 / ツール位置制御接合 / 接合中材料側荷重 / 接合中材料側温度 |
研究実績の概要 |
難燃性マグネシウム(Mg)合金とめっき鋼板・チタン合金との摩擦攪拌点接合(FSSW)において、4年の研究実施期間内で(1)インプロセス計測量(接合工程中の計測量)の測定システム構築、(2)ツール形状・材質がインプロセス計測量と継手強度に及ぼす影響の検討、(3)接合因子がインプロセス計測量と継手強度に及ぼす影響の検討、の三項目の実施を計画した。 研究実施期間の3年目である令和4年度は、NC立フライスでの位置指定制御の接合実験において、3成分圧電型切削動力計を材料固定治具の下に配置して接合中に材料側にかかる荷重を、またK型熱電対を材料固定治具内に埋め込み、K熱電対用の温度計測テレメトリシステムを介し、接合中の材料側温度をインプロセス計測量として同時に測定するシステムを構築した。接合実験は、ツール回転数を3000rpm、ツール挿入速度を10mm/min、ツール挿入量を2.2mm一定として、ツール保持時間を5、10、15sと変化させた条件で行い、接合中の材料側荷重および温度の変化を観察した。その結果、今回変化させたツール保持時間の範囲では、保持時間の増加に伴い接合中の最大荷重値が2700N-2767N、接合中の最高温度が121.5℃-44.1℃と若干増加することを確認した。 また当初計画されておらず研究実施期間の2年目に導入されたロボットFSW装置の整備を進め、位置指定制御のNC立フライスと荷重一定制御のロボットFSW装置という制御方式の異なる二つの装置によるFSSW比較実験を行う環境を整えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画には無かったロボットFSW装置の整備を進め、制御方式の異なる二つの装置でのFSSW比較実験を行うための環境が整った。しかし、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響を受け、接合ツール挿入力(材料側荷重)、固定ツール(材料)温度の同時測定と、接合ツール位置単独での測定は可能となったが、接合ツール・固定ツール・材料温度・接合ツール位置含む測定システムの構築には至らなかった。さらに、制御方式の異なる二つの装置によるFSSW比較実験、接合ツール挿入力や各種条件を変更した接合実験、ならびに接合継手の評価実験を実施することができなったため。
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今後の研究の推進方策 |
次年度以降も、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響を受けると推察される。このため(1)接合ツールの温度測定について、測温システムを次年度夏頃までに構築する。さらに(2)接合ツール挿入力、接合ツール位置を含む測定システムの次年度内での構築を目指す。また(3)当初計画からツール材質を絞り込み、難燃性Mg合金/ Ti合金のFSSWについては制御方式の異なる二つの装置での比較実施を重点に実施する。これら研究の実施に際してこれまでの研究協力者1名(高専本科生もしくは高専専攻科生)から2名(高専本科生と高専専攻科生)に増員する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)感染拡大の影響から、接合ツール挿入力(材料側荷重)、固定ツール(材料)温度の同時測定と、接合ツール位置単独での測定は可能となったが、測定システム全体の構築,並びに制御方式の異なる二つの装置によるFSSW比較実験、接合ツール挿入力や各種条件を変更した接合実験や接合継手の評価実験を実施することができなかった。また接合ツールの温度測定について、K熱電対の温度計測テレメトリシステムを介して接合中の材料側温度計測を実施できたが、K熱電対が埋め込まれた接合ツール及び固定ツールの準備が整わなかった。 次年度使用額の一部を、K熱電対が埋め込まれた接合ツール及び固定ツールの作成購入費用、接合継手の断面組織観察などの外注費に充てる。
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