難燃性マグネシウム(Mg)合金とめっき鋼板・チタン合金との摩擦攪拌点接合(FSSW)において、4年の研究実施期間内で(1)インプロセス計測量(接合工程中の計測量)の測定システム構築、(2)ツール形状・材質がインプロセス計測量と継手強度に及ぼす影響の検討、(3)接合因子がインプロセス計測量と継手強度に及ぼす影響の検討、の三項目の実施を計画した。 研究実施期間の4年目である令和5年度は、NC立フライスでの位置指定制御の接合実験において、前年度構築した接合中の材料側荷重および裏あて内部の温度とともに、K熱電対用のテレメトリ温度測定ユニットを介し、接合中の回転ツール内部の温度をインプロセス計測量として同時に測定するシステムを構築した。 接合実験は、ツール挿入速度10mm/min、およびツール保持時間15s一定とし、ツール回転数を2500および3000rpm、ツール挿入量を2.2および2.4mmと変化させた条件で行い、接合中の材料側荷重、回転ツール温度および裏あて温度の変化を観察した。その結果、今回変化させたツール回転数とツール挿入量の範囲では、接合中の最大荷重値が5000N - 6700N、回転ツール最高温度が395.9℃ - 404.9℃,裏あて最高温度が360.7℃ - 380.2℃となった。また各条件で接合実験を5回行い、クロスヘッドスピード0.5mm/minの条件で引張せん断試験を行なった. 得られた破断荷重の平均値は、748.4N - 1067.8Nとなり、ツール回転数およびツール挿入量の増加により増加した.
|