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2021 年度 実施状況報告書

金属積層造形物に内在する微小空孔の多軸応力圧着条件

研究課題

研究課題/領域番号 20K05165
研究機関岐阜大学

研究代表者

吉田 佳典  岐阜大学, 工学部, 准教授 (60303674)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード金属積層造形 / 塑性加工 / 空孔欠陥
研究実績の概要

本研究は積層造形において種々の空孔体積率を有するプリフォームを造形し,これらに対して申請者が開発したウェッジ逐次鍛造を種々の条件で施すことによって内部空孔圧着条件を学術的に追求する研究であり,応用範囲の広い知見を得ることを目的としている.当該年度では造形プリフォーム内に大ひずみおよび圧縮応力を導入することによって空孔圧着を狙う.
申請者が開発したウェッジ圧縮によって造形プリフォーム内に大ひずみおよび圧縮応力を導入した.当該ウェッジ圧縮においては通常の平行圧板ではなく,中央に向かって傾斜(ウェッジ角度αで表す)しており材料表面の流動を促しながら,内部へのひずみ導入を行う.またこれを上下に配置し,稜線を交差させることによって素材上面と下面の材料流動方向を交差(交差角度βで表す)させて,材料内部にせん断ひずみを積極的に導入した.
造形プリフォームを当該ウェッジ鍛造によって圧縮を行なう際.下工具の回転によって交差角を任意に変更して圧縮することによって内部応力状態を種々に変化させてプリフォーム圧縮し,内部空孔の観察を行った.交差角度β=90°での圧縮後の成形品内部から微小引張試験片を切り出して試験を行い,引張強度および全伸びに及ぼす加工様式の影響について調査した.ウェッジ鍛造によって内部空孔の提言,ならびに強度および延性の向上が確認され,今後,有限要素解析によって圧縮工程の最適化を図ることで,効果的な後加工技術の確立に結びつけたい.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

積層造形プリフィームの圧縮試験を実施し,3年目に予定していた数値解析の準備を手がけており,当初の予定通り進んでいる.

今後の研究の推進方策

現有の有限要素解析コードによってプリフォーム圧縮時の内部残留応力計算を,および溶接解析専用ソフトウェアによって積層造形プロセスのレーザ走査溶融における温度分布変化の高精度な計算を行うことによって内部空孔発現機構を検討する.さらに前年度までに得られた圧縮条件と内部空孔圧着状況の結果を塑性力学あるいは破壊力学の観点でまとめる.現有の汎用塑性加工有限要素解析ソフトウェアDEFORMを用いて,ウェッジ鍛造における上下工具交差角が,圧縮中の積層プリフォーム内部応力比に及ぼす影響を解析的に明らかにする.この結果と圧縮後のプリフォーム内部における空孔形状および空孔体積率の関係を調査し,圧着条件を得る.

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公開日: 2022-12-28  

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