インクリメンタルフォーミングは,日本で提案された新しいCNC塑性加工技術で,基本方式では1つの工具を等高線パスに沿って動かして目的とする曲面形状をその包絡面として得る.本方式は高価な金型を用いないフレキシブル成形技術である.しかし,このプロセスで得られるほとんどの成形品には過大な残留応力が蓄積しており,クランプ解放やトリミング後に激しい負のスプリングバックが発生し,これが実用化に際しての最大の課題となっている.これに対して本研究の成果はダブルサイド・インクリメンタル成形を採用し,そのマスターおよびスレーブ工具の相対運動をどのように制御すればよい結果が得られるかの重要な基礎資料を提供する.
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