研究課題/領域番号 |
20K05170
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
豊田 洋通 愛媛大学, 理工学研究科(工学系), 教授 (00217572)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | プラズマジェット加工 / 液中プラズマ / ダイヤモンド / ダイヤモンド半導体 |
研究実績の概要 |
前年度製作した磁場を用いた回転アークプラズマ発生電極を用いて,ダイヤモンド合成を試みた。プラズマの安定度は飛躍的に向上したが,プラズマの温度が高く(10000℃程度)基板の温度勾配が激しくなるため,Si基板においては,熱応力で破壊されるという現象が多発した。高い温度勾配でも耐える基板として,ステンレス鋼基板を選定し,ダイヤモンド合成実験を行った。アークプラズマは,磁場により安定しているが,温度勾配が激しいため,基板温度コントロールが非常に難しいことがわかった。また,成膜前のArガスに対し,原料ガスの放電電圧が非常に高く,微量コントロールしてArキャリアガスに混ぜないとアークプラズマが不安定になってしまう欠点が発見された。ステンレス鋼基板では,基板温度の安定化が成功し,実験が行えることがわかった。結晶性の炭素物質が安定に合成できることはわかったが,ダイヤモンド結晶はまだ合成不可能であった。比較実験として,マイクロ波液中プラズマによるダイヤモンド合成実験も行った。副次的な成果として,マイクロ波液中プラズマによって,ステンレス鋼上にダイヤモンドを直接合成できることがわかり,特許申請を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ下での実験制限が多発し,実験回数に限りが生じたことが原因である。
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今後の研究の推進方策 |
基板温度の安定化と,アークプラズマの安定化が当面の課題であり,安定にダイヤモンド合成できなかった。次年度は一つは,高濃度の原料ガスでもアークプラズマが安定するような細いノズル電極の開発を試みる。また,基板距離を精密にコントロールできるマニュピュレーターを導入する。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額がわずかに生じた。コロナ下で学会参加ができなかったため,来年度の学会参加費とする。
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