研究課題/領域番号 |
20K05172
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研究機関 | 公立小松大学 |
研究代表者 |
富澤 淳 公立小松大学, 生産システム科学部, 特任教授 (10744980)
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研究分担者 |
末吉 敏恭 琉球大学, 工学部, 准教授 (10264475)
政木 清孝 埼玉工業大学, 工学部, 教授 (30323885)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | せん断曲げ / 熱間曲げ / 焼き入れ / 加工熱処理 |
研究実績の概要 |
従来の3次元熱間曲げ焼入れ(以下3DQ)技術の課題であった『しわ』の発生と『板厚減少』を解決する世界初の加工技術の実証研究を実施した.今回の研究では,加工の変形モードをせん断モードとした新たな『せん断曲げ3DQ』の基本特性を検討した. 1)従来の短腕ロボットを用いた剛性の試験機で小径の丸断面の鋼管を用いた予備試験を行った.その結果,小径丸管で予想通りのせん断変形が得られたが,試験機の弾性変形による製品の加工精度の悪化が認められた. 2)そこで,従来の3DQに比べて,せん断曲げ3DQは加工荷重が大幅に高くなることを初等解析により示し,それに対応した新たな高剛性の試験機を設計・製作した.また,特殊加熱コイルと加工中の材料と加熱・冷却装置の接触を避けるため,コンパクトで十分な冷却能力を有する特殊ノズル(特許出願済)を製作した.新設した高剛性の小型試験機を用いて,矩形管を用いた加熱コイル傾斜角無(α=0°)のせん断曲げ試験を実施し,良好なせん断変形を得た.矩形管のせん断曲げは世界初である.また,従来の単腕ロボット型3DQ試験機を用いて比較試験を行い,せん断曲げ小R曲げのしわ抑制効果を確認した.さらに,加工の進行方向(せん断角θ)を45 °,90°場合のせん断曲げ成形に成功し,極小曲げ半径の加工に目途を得た.特に,θ=90°曲げでしわを発生せず曲げ半径は約5mm(製品幅の約0.25倍)の製品が得られ,極小曲げ半径でのしわ抑制が可能であることを確認できた.しかしながら,周方向に冷却不均一による未加熱部分が一部発生した. 3)せん断曲げ3DQ(コイル傾斜角α=90°場合およびα=45°,せん断角θ=45 °)のFEM解析実施し,しわの発生がないことを確認.,実験結果と一致した. なお, 上記の研究成果を国内学会で,3件の発表を実施した.また,国内特許1件が登録となった.
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備考 |
【依頼講演】(1)3次元熱間曲げ技術の開発,塑性加工学会北陸支部技術懇談会(2021)(2)次世代モビリティのフレーム構造を実現する加工技術,粟崎ビジネスサロン(2022)【雑誌掲載】(1)次世代モビリティのフレーム構造を実現する3DQ技術の開発,北陸経済研究497号p.36-37(2021)(2):3DQによる製品開発,塑性加工学会誌ぷらすとす,5-51,p.148-152(2022)
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