研究課題
本研究は、高分子材料を用いた超多孔質材料の材料工学的な観点とリン脂質や抽出剤の自己組織分子相形成の観点から、機能性分子相を担持した超多孔性吸着材の開発指針を確立するとともにアミノ酸のキラル分離,有機溶剤液滴や細胞外ベシクルのサイズ選択分離,環境汚染物質の除去および有用金属の選択的回収プロセスへの応用を行うことを目的とした。1.多孔質ポリマー微粒子へのリン脂質の固定化と特性評価:W/O/Wエマルションを出発状態として多孔質ポリマー微粒子を調製し,種々の濃度条件でリン脂質を含浸固定化した。得られたリン脂質固定化多孔質ポリマー微粒子中の蛍光プローブ分子の蛍光特性から膜特性を明らかにし,多孔質粒子表面でリポソームに類似した二分子膜構造を形成している事を明らかにした。L-トリプトファンとD-トリプトファンのキラル認識吸着を行い、L体のみを選択的に吸着し、L体とD体の混合溶液からL体のみを吸着するキラル認識吸着を行うことを明らかにした。2.抽出剤含浸多孔質ポリマー微粒子充填カラムによる銅イオン連続吸着特性評価:S/O/Wエマルションの液中乾燥により膜中に球状細孔を有する単核マイクロカプセルの調製方法を確立した。この単核マイクロカプセルにあらかじめ揮発性溶媒を含浸内包し、その後抽出剤を交換・含浸担持する揮発溶媒交換法により効率良く抽出剤を内包する方法を確立した。調製した抽出剤内包マイクロカプセルは、銅イオンを効率良く抽出し、抽出特性を明らかにした。3.種々のクライオゲルの調製条件および蛍光プローブ分子の固定化法の確立と材料特性の評価:有機溶媒と疎水性モノマーを用いた疎水性クライオゲルの調製方法を確立し、細孔分布を明らかにした。疎水性クライオゲルに吸着剤の含浸担持を行い、銅の吸着特性を明らかにした。多孔質ポリマー微粒子の残留不飽和結合を利用した表面修飾方法を確立し蛍光性分子を固定化した。
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