研究課題/領域番号 |
20K05205
|
研究機関 | 一般財団法人ファインセラミックスセンター |
研究代表者 |
永野 孝幸 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 特任主任研究員 (70450848)
|
研究分担者 |
佐藤 功二 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 技師 (20552590)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 炭化ケイ素 / アルミナ / 細孔径 / 膜 / 分離 / 多孔質 / 粒度分布 / 粒子径 |
研究実績の概要 |
多孔質基材の汎用性、価格、バリエーション、表面平滑性、表面欠陥を考慮し、炭化ケイ素系ガス分離膜の支持基材として、α-アルミナ円筒型基材を支持基材として選定していた。膜分離においては、膜エレメントの本数を減らすという目的で円筒型基材の場合、直径の拡大、基材長さ(膜長さ)の拡大により、膜モジュールのコストを低減するのが一般的である。本研究では熱膨張係数が2倍程度異なる炭化ケイ素膜をNi固溶γ-アルミナメソポーラス中間層をコートした非対称型α-アルミナ多孔質基材のメソポーラス中間層内に成膜することで炭化ケイ素とアルミナの熱膨張係数差に起因する残留応力を軽減し、基材の大型化(φ3mm→Φ12mm)を実現した。一方で基材の大型化に伴い、基材の強度を維持するためには肉厚を厚くする必要があり、それに伴い、ガス透過性の低下、膜と支持基材の残留応力増大に伴う成膜性の低下が確認された。そこで、基材の直径をΦ12mmからΦ10mmへ変更し、細細孔径を40%程度拡大することで、基材強度、成膜性の向上を両立することを試みた。基材の細孔径の増大に伴い、アルミナ非対称層のスラリー溶液が多孔質支持基材内に浸み込みやすくなり、非対称型基材の表面に激しい凹凸が観察されるようになった。そのため、アルミナ粉末を変更し、粒子径を増大し、且つ焼結温度を維持するためにアルミナ粒子の粒度分布を調整し、均一なコートを可能にした。焼結温度の維持は多孔質支持基材の収縮を抑制し、長尺基材の反りを低減することができた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
炭化ケイ素系ガス分離膜の細孔径制御技術はこれまでの研究で確認できており、支持基材の最適化に関する知見も得られている。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで得られた細孔径制御技術を最適化された多孔質支持基材上への成膜を試みる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
アルミナ多孔質基材の最適化を優先したため、成膜及び評価にかかる経費が減少した。次年度は最適化した多孔質支持基材へのコートの他、研究成果のまとめ、発表等も行う予定である。
|