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2020 年度 実施状況報告書

マイクロバブル誘起超音波キャビテーションによる極微小領域ラジカルプロセッシング

研究課題

研究課題/領域番号 20K05215
研究機関長岡工業高等専門学校

研究代表者

村上 能規  長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70293256)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード超音波 / 直列 / マイクロバブル / ウルトラファインバブル / ラジカル
研究実績の概要

2台の超音波発振器の直列接続実験においては,マイクロバブル発生装置の吐出口にシリコンチューブを接続し,チューブを流れる溶液が2台の超音波発振器(Honda Electronics, W-115)を直列で通過し,超音波の照射を受けて再びマイクロバブル発生装置に戻る循環流通型の反応系を製作,使用した.実験は,マイクロバブルを発生させたKI溶液を循環させながら,1台目の超音波発振器で超音波を5分間照射し,マイクロバブルによる白濁が消え,消泡されたことを確認してから,2台目の超音波発振器からの照射を開始し,更に20分間,2台の超音波発振器から超音波を照射した.このとき,2台目で照射する超音波の周波数は45 kHzに固定し,1台目からは28 kHz,45 kHz,100 kHzの3種類で照射することで,1台目の照射による消泡がOHラジカル生成に及ぼす影響について調べた.照射後の溶液を350 nm付近の吸光度測定により分析した。その結果、循環流通型の反応系において,マイクロバブル発生装置から吐出された溶液が最初に通過する超音波発振器の周波数を変化させ,一方,2台目の超音波発振器の周波数を45 kHzに固定して照射したときに,生成するI3-を350 nm付近の紫外吸収で測定したが、超音波発振器を併用し,2台目の超音波発振器の周波数を45 kHzで固定した際には,1台目の超音波発振器の周波数に関わらず,2台目の超音波発振器のみで照射したときよりもI3-の生成量が増大した。これが2台目の超音波発振器からの28 kHz,100 kHzの超音波照射を受けても,OHラジカルの生成量を完全に消滅させることができなかった理由と考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

その場観察をするためのフロー系における微細気泡の存在する超音波場の作成に成功した。フロー系(流通系)においても、ビーカー(バッチ系)で観察されたある特定の波長における微細気泡における超音波によるOHラジカル生成が観察され、フロー系にしても同様の現象が観測できることを確認できた。このことは、微細領域において超音波と微細気泡を局在化させることができる可能性を示しており、本課題の最終目標である気泡による局所的なラジカル反応場の作成が可能であることを示している。以上の理由により、現状では研究が順調に進んでいることとした。

今後の研究の推進方策

フロー系でも微細気泡と超音波場での局所的ラジカル増強が確認されたことから、今後は本予算で購入できたイメージインテンシファイヤー付きCCDカメラで気泡の位置とラジカルが原因となる発行の位置の関係を調べ、ラジカルの局所発生の確認とそのメカニズムの解明、メカニズムに基づくより効率的なラジカル局所発生技術について検討したいと考えている。

次年度使用額が生じた理由

コロナウィルス感染拡大で旅費の使用分が不必要になったため、次年度に繰り越した。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2020

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] OH Radical Formation by the Photocatalytic Reduction Reaction of H2O2 on the Surface of Plasmonic Excited Au-TiO2 Photocatalysts2020

    • 著者名/発表者名
      Tomoya Hayashi, Kyoko Nakamura, Todai Suzuki ,Nobuo Saito, Yoshinori Murakami
    • 雑誌名

      Chem Phys Lett

      巻: 739 ページ: 136958

    • 査読あり
  • [学会発表] 流通型装置を用いた超音波キャビテーション作用のマイクロバブルによる影響に関する検討2020

    • 著者名/発表者名
      村上能規, 土田一喜
    • 学会等名
      化学工学会 第86年会
  • [学会発表] 超音波によるOHラジカル生成におけるマイクロバブルの効果2020

    • 著者名/発表者名
      土田 一喜, 村上 能規
    • 学会等名
      第29回ソノケミストリー討論会

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公開日: 2021-12-27  

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