密度汎関数理論で扱う第一原理分子動力学シミュレーションで実現可能な時間スケールを桁違いに長くする新手法を開発した.本手法では,対象系の中から反応中心となる数個の原子を含む様々な原子クラスターを用意し,それぞれの電子移動プロセスに対して周囲の原子も加えた系を使ってバリアエネルギーを計算する.Kriging法(=ガウシアンプロセス)を用いてバリアエネルギーを予測し,そのデータベースから統計力学に従って次のプロセスを決める.また,本シミュレーションの適切な初期状態を用意するため,対象系のさまざまな部位の湿潤環境でのプロトン化・脱プロトン化を熱力学に従って定める手法を開発した.
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