研究課題
基盤研究(C)
繊維材料は日常生活において身近な素材の一つであるが、繊維を形成させる過程(紡糸)には高分子化合物が利用されてきた。それとは異なり、私は高分子・繊維科学と超分子科学を最大限に融合させた新技術「環状低分子化合物の直接紡糸技術(低分子紡糸技術)」を提案し、ガーゼ様の繊維構造材料を構築することに成功している。本研究課題では、この技術の高効率化すべく、環状低分子化合物をベースとして誘導体への展開、低分子化合物間の相互作用の制御などについて検討した。
高分子材料、ナノ・マイクロ化学
高分子繊維材料が人類の生活を豊かにしてきたことは疑いようもないが、近年の合成高分子材料の非分解性への関心などからも、新たな高機能繊維材料の設計指針が望まれる。本研究課題で取り組む「低分子紡糸技術」は未だ学術的に芽生え期ではあるものの、これまでの常識とは全く異なる繊維材料を生み出す可能性を秘めており、新たな学術領域への発展可能性も期待できる。