研究実績の概要 |
エタノール中に EDTA を配位子とする Cu(Ⅱ)錯体とプロピルアミンを配位子とするCu(Ⅱ)錯体を含む混合プレカーサー溶液を石英ガラス基板にスピンコート法で塗布,乾燥して得たプレカーサー膜をAr気流中で熱処理して,低抵抗な銅薄膜の形成を報告した。さらに, エタノール中に エチレンジアミンを配位子とする Cu(Ⅱ)錯体とプロピルアミンを配位子とするCu(Ⅱ)錯体を含む混合プレカーサー溶液を無アルカリ基板にスピンコート法で塗布,乾燥して得たプレカーサー膜を,強度が4 mW cm^-2で波長が254 nmの紫外光で2,4,8,16 h照射した時に,Cu2O薄膜の形成を報告した。今年度は,先行研究を応用して, 新たに分子プレカーサー膜を設計して銅薄膜のUV光照射による低温形成を目的とした。 EDTA を配位子とする Cu(Ⅱ)錯体とプロピルアミンを配位子とするCu(Ⅱ)錯体を含む混合プレカーサー溶液を石英ガラス基板にスピンコート法で塗布して光照射した。形成した薄膜のXRDパターンは,銅単一相を示した。しかし,膜は光照射中に凝集した。EDTAの凝集に影響を与えているものを検討するために, 温度が20°C,湿度が20-40%のクリーンベンチ内で,16時間, 24時間, 48時間紫外光を照射した。しかしいずれの膜も凝集した。
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