本研究では,近年,機能性無機材料のひとつとして注目されているハロゲン化銀に着目し,その形状制御法および金ナノ結晶との複合化の新規手法の開発を行った。その結果,本来は溶解度が小さく水への溶解が考慮されないハロゲン化銀において,水中での溶解-再析出現象が関連して,室温でナノ結晶の形状制御が可能であることを見出した。また,金との接合では,金錯体の光還元がトリガーとなり対称性の破れが生じ,スノーマン型の金-臭化銀ナノ粒子が成長することを発見した。また,無機結晶のさらなる形状制御や機能発現を目的として,金などの無機ナノ材料の新規合成法と光触媒などの種々の機能の開発を展開した。
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