ジアミノセレノシクロファンを使用して金属ナノ粒子を合成する新たな手法を開発した。キラルなアミノ酸誘導体を含むジアミノセレノシクロファンと塩化金酸をTHFに溶解し、紫外光を照射することで、均一な3nm程度のAuナノ粒子が生成された。また、光学活性なアミノ酸誘導体を導入したジアミノセレノシクロファンを用いて合成したAuナノ粒子やPdナノ粒子は、CDスペクトルで正負対称なコットン効果を示し、ナノ粒子界面に不斉が誘起されている可能性が示唆された。Pdナノ粒子を用いた鈴木-宮浦クロスカップリング反応では、ごくわずかに反応が進行したが、Pdナノ粒子が熱に不安定であることを示す実験結果が得られた。
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