研究課題
基盤研究(C)
アクティブサイトに吸着した単分子を識別検出できるナノプローブの開発を目的として、二次元導電面を有する酸化タングステンナノロッドによるラマン散乱増強効果のオンオフスイッチングについて詳細に検討した。マルチプローブ原子間力顕微鏡を用いて大気中で単一の酸化タングステンナノロッドの電気伝導特性を評価した。得られた電流電圧曲線は電圧印加とともに抵抗値が上昇する特異な特性を示し、これはプロトンのインターカレーションによる二次元導電面の消失による高抵抗化に起因するものと結論づけた。
ナノ材料科学
本研究では、分子1個を識別検出できるナノプローブの開発において重要なラマン散乱増強効果のオンオフスイッチングメカニズムについて詳細に検討している。極微量の分子が重要な役割を果たす生体システムの微視的理解において、非常に重要な解析ツールを提供することに繋がる。学術的にはラマン散乱増強に金属ではなく、ニ次元導電面を有する酸化タングステンを用いる点が新しく、意義があると考えている。