研究実績の概要 |
本研究は、フラーレン分子数個の相互作用によるナノ接合の状態制御とそれを原理とするNMES(ナノ材料エレクトロシステム)素子のメカニズムの解明を目的とする。計画に従い研究を実施し、下記の研究成果を得た。Lu3Nを内包させたC80分子をLiquid-Liquid Interface Precipitation法により繊維状材料にする手法を確立した。また、そのC80ナノワイヤ材料をシリコン基板上に展開し、真空蒸着法により電極作製をすることでNMES素子を作製し,その電気特性を調べた。内包金属の影響によりC60素子よりも導電性が大幅に改善することが明らかになった。前記の電子線照射なしでも、良好な導電性を得られることが明らかになり、これは内包分子の影響と考えられる。電流変化を系統的に調べそのメカニズムを明らかにした。以上の成果をまとめ、海外学術誌に投稿した。Yukiya Umeta, Hiroshi Suga, Mihiro Takeuchi, Shushu Zheng, Takatsugu Wakahara, Ying-Chiao Wang, Yasuhisa Naitoh, Xing Lu, Akichika Kumatani, and Kazuhito Tsukagoshi “Stable Resistance Switching in Lu3N@C80 Nanowires Promoted by the Endohedral Effect: Implications for Single-Fullerene Motion Resistance Switching” ACS Applied Nano Materials 4, 7935-7942 (2021.8).
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