近年、D-アミノ酸が統合失調症や慢性腎障害などの疾患バイオマーカーとして、D-アミノ酸酸化酵素による老化関連疾患との関係が報告され、注目されている。しかし脳内のD-セリン以外のD-アミノ酸は生体内含量がL-アミノ酸と比較して低い。従来の定量分析では多段回操作による精製が必要であること、高価な分析機器が必要であることなどの理由から、D-アミノ酸の生理的役割には未解明の部分が多く残されている。その為、申請者らの酵素固定化技術を発展させ酵素電極を作製し、電気化学的手法と組み合わせることで、生体内微量D-アミノ酸の定量分析が高感度かつ安価に行えれば、その生理的役割に関する研究が進展すると考える。
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