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2020 年度 実施状況報告書

原子相関が生み出す局所構造歪みから探る構造・磁性相転移の本質

研究課題

研究課題/領域番号 20K05295
研究機関弘前大学

研究代表者

宮永 崇史  弘前大学, 理工学研究科, 教授 (70209922)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードXAFS / 磁性合金 / 相転移
研究実績の概要

FeRhPd合金の相転移について、ロシアのモスクワ大学との共同研究を進め、結果を論文として公表した。そこでは、バンド計算も行い、理論的に相転移前後に予想される構造を求め、XAFSより実験的に求められた構造と比較し議論を行った。また、同様の同様に対して中性子回折実験を行い、放射光XAFS実験の結果と比較し、相転移に関する構造変化を議論した。
また、本研究と関連するXAFSによるナノ粒子の構造と相転移に関する研究をつくばの高エネルギー加速器研究機構の放射光研究施設で推進し、富山大学との共同研究として論文に公表した。ここでは、カーボンナノチューブ(CNT)に内包されたカルコゲン元素(Te)の構造を議論した。Teは本来は螺旋構造の鎖が重なり合った結晶構造を有するが、CNT内では鎖が単独で存在することが示された。
同様に、本研究と関連のあるXAFSによるゼオライト中の銀クラスターの相転移に関する研究をつくばの高エネルギー加速器研究機構の放射光研究施設で推進し、その成果を論文に公表した。ここでは、zeolite-Aおよび-Xにロードされた銀原子が、クラスターを形成し、さらに崩壊する過程をin-situ XAFS測定により構造変化を示した。さらに、この構造変化と銀ゼオライトに特徴的な発光過程との関連を議論した。一度銀クラスターが形成され、それが崩壊した後の化学種で強い発光が観測されることが確認された。このことにより銀クラスターが発光種ではなく、ゼオライト骨格との関連が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

コロナウイルス拡大のため、海外渡航が果たせず、ラトビアのグループとの共同研究が行えなかったため。

今後の研究の推進方策

今後は、引き続き放射光を用いたXAFS測定実験を行い、実験データを解析するとともに、リバースモンテカルロ法や多重散乱法を用いた理論解析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

コロナウイルス感染拡大防止のため、海外渡航ができなくなり、学会参加および共同研究が実施できなかったため。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2021 2020 その他

すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件)

  • [国際共同研究] モスクワ大学(ロシア連邦)

    • 国名
      ロシア連邦
    • 外国機関名
      モスクワ大学
  • [雑誌論文] Strucutre study of the chalcogens and chalcogenides by X-ray absorption fine structure2021

    • 著者名/発表者名
      H.Ikemoto and T.Miyanaga
    • 雑誌名

      Z. Phys. Chem.

      巻: 235 ページ: 117-140

    • DOI

      10.1515/zpc-2020-1627

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Peculiarities of the phase transformation dynamics in bulk FeRh based alloys from magnetic and structural measurements2020

    • 著者名/発表者名
      V.I. Zverev, R.R. Gimaev,T. Miyanaga, A.A. Vaulin, A.F. Gubkinc, B.B. Kovalev, A.M. dos Santos, E. Lovell, L.F. Cohen, N.A. Zarkevich
    • 雑誌名

      J. Mag. Mag. Mater.

      巻: 522 ページ: 167560

    • DOI

      10.1016/j.jmmm.2020

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Structures of Isolated Tellurium Chains Encapsulated Inside Carbon Nanotube2020

    • 著者名/発表者名
      H. Ikemoto, T. Fujimori, T. Miyanaga, S.Kato, F. Iesari, and K. Urita,
    • 雑誌名

      J. Phys. Chem. C

      巻: 124 ページ: 26043-26047

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Local structure change of luminescent Ag zeolite-A and -X studied by in situ XAFS and IR spectroscopy2020

    • 著者名/発表者名
      T. Miyanaga, Y. Suzuki, S. Narita and R. Nakamura
    • 雑誌名

      J. Synchrotron Rad.

      巻: 27 ページ: 1640-1647

    • DOI

      10.1107/S1600577520012540

    • 査読あり

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公開日: 2021-12-27  

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