研究課題
FeRhPd合金の相転移について、ロシアのモスクワ大学との共同研究を進めてきた。Pdのドープによって結晶格子が膨張したことにより、磁気転移温度の低下との 関連性が示唆され、より詳しい解析と議論を行った。この結果を、2023年7月のナノ材料の国際会議で発表した。本課題と関連して、最近注目されている鉄系超伝導体の一種であるFeTeSe超伝導体の相転移についても同様なメカニズムで相転移が進んでいるのではないかという発想のもと、高エネルギー加速機研究機構の放射光実験施設でFe-K端、およびSe-K端のXAFS測定を行った。20Kから300Kまでの温度範囲で測定を行い、現在解析中である。さらに、本研究と関連するXAFSによるナノ粒子の構造と相転移に関する研究を同じく高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設で推進し、富山大学との共同研究として遂行した。カーボンナノチューブ(CNT)に内包されたカルコゲン元素(S)の構造を解析した。その結果は論文として発表予定である。
2: おおむね順調に進展している
コロナ感染拡大のためにRMCに関するラトビア大学との共同研究にやや遅れが生じているが、そのほか、FeRhPdのXAFS解析についてや、新たにFeSeTe関する局所歪の解析は順調に進んでいる。
今後は、引き続き放射光を用いたXAFS測定実験を行い、実験データを解析するとともに、リバースモンテカルロ法や多重散乱法を用いた理論解析を行う予定であ る。また、現在執筆中の論文を仕上げるとともに、国際会議での発表を行う。
コロナ感染拡大のため海外での共同研究、主にラトビア大学との共同研究が進まなかった。 次年度の使用計画としては、RMCに関するラトビアやスペインとの共同研究を進めるとともに、これまで得られた結果を国際会議で発表を行なう。
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すべて 国際共同研究 (4件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 2件、 査読あり 3件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 1件)
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