研究課題
本研究は構造物性機構の理解を重視したAIと材料科学の首尾一貫的な枠組みを構築し,RE(希土類金属)-T(遷移金属・構造安定化元素)-X(軽元素)結晶性磁性材料の候補空間を系統的に探索し,高磁気能で構造安定性をもつ代替結晶候補を発見することと,構造物性科学に対して,理解・応用の両面で貢献することを目的とした。本研究はデータ駆動型AIの構築を行い,構造物性機構の理解を進めて,高性能な代替結晶の候補を呈示できるようにした。具体的には下記の研究項目を遂行した。1)開発したOFM記述子を用いて,機械学習用のRE-T-X結晶性材料の基本データベースの構築を行った。2)機械学習を用いて構築したRE-T-X結晶性材料のデータベースからデータ駆動的に物質の安定性に注目した構造物性相関関係の抽出及び安定性を定性的に評価する確率モデルの構築を行った。3)構築した結晶性材料データベースから優れた磁気特性を示すThMn12構造を持つSmFe12系化合物をホスト格子として選定し,結晶性構造の各原子サイトへの元素置換・挿入操作で作成できる膨大な候補空間を自動生成機によって構築した。4)元素置換によって安定化する可能性のある結晶構造を高速に探索し、その安定化機構を明らかにするために第一原理計算とクエリーアンドラーンの能動学習手法を統合した全体のサイクルを設計し、材料探索手法を確立して、優れた磁気特性を示すThMn12構造を持つSmFe12系化合物に適用した。開発した材料探索手法の特徴としては、(i)限られた第一原理計算データで生成エネルギーを正確に見積もり、(ii)構造探索プロセスの進捗を視覚的にモニターし、(iii)構造と生成エネルギーの相関を抽出し、(iv)続く第一原理計算のために最も有益なSmFe12-置換構造の候補を推奨することが可能である。
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件)
Journal of Applied Physics
巻: 133 ページ: 053904~053904
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MRS Bulletin
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