CO2ガスは地球温暖化を引き起こし、塩化水素ガスは氷の表面での化学反応によりオゾン層の枯渇の原因となるなど、酸性ガスは地球環境に大きな影響を与えている。酸性ガス(CO2、HCl、HNO3)雰囲気下で氷表面を高分解能光学顕微鏡で観察すると、-10℃以下で氷表面に酸性液滴が出現することがわかった。酸性液滴は氷のステップをバンチング化させることで成長を著しく阻害しながら、最終的には氷内部へ埋没してしまう。氷が蒸発する際は埋没液滴の影響により蒸発が促進される。よって、酸性ガスの存在は氷の体積を減らす方向へ作用することがわかった。
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