本研究では、チタン合金や銅などの金属微粒子の表面上に存在する強固な酸化皮膜から高耐酸化性を有するフッ化物表面層の創出を試みた。TiAl合金の場合、大気中で1000℃まで加熱した未処理試料は表面は腐食され、金属酸化物層が大きく成長したことに対して、フッ素処理試料は質量増加が殆どなく、加熱前の表面状態を維持した。Cu金属の場合、大気下150℃で30分加熱するだけで黒く変色しており、耐食性に大きな課題にあることに対してフッ素処理を行うことで、耐酸化性の高いCuxOF層が表面上に形成され、高い耐食性と高導電性を有する銅金属の開発に成功した。特に酸素とフッ素の混合ガスによる表面フッ素処理が有効であった。
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