電界イオン顕微鏡(FIM)像の解析手法として,物体検出モデルによる結晶面の自動抽出,およびk近傍法による試料の結晶方位を自動同定するシステムを構築した。その結果,80%以上の精度でタングステン試料の結晶方位を同定できることを実証した。原子位置を反映しているFIM像の各輝点の位置を,電界蒸発中に連続撮影した差分画像から抽出するシステムを構築した。さらに,FIMの観察,記録,原子位置の自動抽出をするため,本研究のシステムを既存のFIM装置に実装し,その運用を進めている。本研究によって,FIMへの機械学習の適用による原子分解能トモグラフィー顕微鏡に関して実現可能性を見出すことができた。
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