研究課題
基盤研究(C)
非ブラッグギャップが生じる系である固体液体超格子に対して、バンドギャップ中のブロッホ波数の虚部を周波数の関数として求めて解析し、この系に生じるギャップは周期性に基づくブラッグギャップとファノ共鳴に基づくギャップに分類できることを示した。さらに、後者のギャップの形成メカニズムを理論的に明らかにした。また、周期的な外力の印加された結合振動子系における共鳴プロファイルの解析的表式を導き出し、ファノパラメータを既知のパラメータの関数として表すことによって、共鳴プロファイルの制御のための基礎を与えた。
応用物理学
固体液体超格子における非ブラッグギャップの形成メカニズムをファノ共鳴の観点から理論的に解明することは、ファノ効果に基づくギャップとブラッグギャップの定性的違いを明確に理解するという基礎学問としての意義がある。また、ファノ共鳴に起因したギャップにおいては、系が数周期の有限でありながら、ギャップとバンドの間の急峻な境界が現れるため、この特性を利用した、高感度センサー、スイッチング素子等のデバイスへの応用へとつながる。