本研究では、希薄窒化物半導体であるGaAsN膜中において、N原子の空間分布を三次元で制御したGaAsN薄膜の作製と実際のN分布の評価を行なった。 三次元制御には、1原子層毎に成長が制御可能な原子層エピタキシー(ALE)法による成長方向のN原子分布制御と、微傾斜基板を利用した表面ステップによる面内のN分布制御を併用した。 ステップ密度を系統的に変化させた基板上へのGaAsN成長により、表面のステップ近傍とテラス上でのN原子の取り込み量を定量的に明らかにした。この結果を利用して微傾斜基板上への3次元的に分布を制御した成長を試み、成長方向と[110]方向の2方向への分布を制御した超構造の作製を実現した。
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