磁気スピン制御とプラズモン共鳴との融合を図ることで、磁気光学に係る新たな物理現象の発現、ならびに、超高感度バイオ化学センサの実現に向けて研究開発を行った。反強磁性結合を有する[CoPt/Ru/CoPt]積層膜では、波長に比べて十分に短い距離でのスピンの打ち消し合いにより、光学的に疑似的な磁性/非磁性状態の制御を可能とする「磁気メタサーフェス」として機能することを示した。さらに、磁気光学式プラズモンセンサの実用化を見据えた材料開発にも取り組み、水素ガスあるいはグルコース計測での有用性を示すこともできた。今後、光スピン融合型メモリや光波制御素子など新たな光機能デバイスへと発展させる計画である。
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