量子最適制御法はスピン系の制御を含む量子技術の開発に重要なシミュレーションツールであり,パルスエネルギー拘束条件や可変な中間時刻目的を扱えるようにアルゴリズムを拡張・開発できた意義は大きい。本手法は任意の量子系に適用可能であることから,基礎研究のみならず実用に向けた指針としても活用できる。デコヒーレンスの影響に関しては,純粋度トラジェクトリで表す新しい視点を提供した。量子系の制御にはしばしばレーザーパルスが用いられが,。非共鳴レーザーパルスが共鳴パルスと同様に量子制御に有効であることを示すことで,今後の応用展開において光源選択の幅を大きく広げられたと考えている。
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