研究課題/領域番号 |
20K05415
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
近藤 正人 筑波大学, 数理物質系, 助教 (20611221)
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研究分担者 |
石橋 孝章 筑波大学, 数理物質系, 教授 (70232337)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 生体分子 / 振動スペクトル / 固液界面 / 振動和周波発生分光 / 全内部反射ラマン分光 / 脂質膜 |
研究成果の概要 |
固体基板と水溶液の固液界面にタンパク質を保持し,界面敏感な振動分光法を適用することで,タンパク質の振動スペクトルを十分に水と接した状態で高感度に得る.その実現に向け,フッ化カルシウムにシリカ薄膜をコートした基板の作製と高品質化に取り組んだ.シリカコート面に,タンパク質をシランカップリングさせて保持する計画であったが,途中,作製される基板のコート面の平面性に問題が生じるようになり,計画を進めることが困難な状況となった.そこで,計画を見直し,この問題に影響されずに行える実験として,固液界面の脂質二分子膜と相互作用したペプチドの振動スペクトル測定に挑んだ.結果,そのラマンバンドの検出に成功した.
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自由記述の分野 |
分子分光学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
界面敏感なラマン分光法で,界面にある脂質膜と相互作用した膜結合ペプチドの振動スペクトルを検出できたことが本研究の主な成果である.概要の項目で述べたように,途中に計画を見直したが,当初着目した「界面を利用する」という独自の視点で取り組んだ研究である.膜結合ペプチドは,抗生物質としての重要な働きを持つ.その抗菌作用は,ペプチドが細胞膜と結合し,膜に侵入して孔をあけることで発現する.抗菌作用の機構を理解するには,膜とペプチドの相互作用を調べることが不可欠である.本研究の学術的意義は,こうした相互作用を,界面を利用した新しい視点から研究する方法を与えたことにある.
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