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2022 年度 実績報告書

回転状態弁別分光法を駆使した分子の核スピン転換機構の統一的解明

研究課題

研究課題/領域番号 20K05424
研究機関国立研究開発法人日本原子力研究開発機構

研究代表者

山川 紘一郎  国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 原子力科学研究部門 原子力科学研究所 先端基礎研究センター, 研究副主幹 (60633279)

研究分担者 福谷 克之  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (10228900)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード核スピン転換
研究実績の概要

二酸化炭素凝縮層内に束縛した水素分子の核スピン転換を、絶対温度5-15 Kの範囲で測定し、凝縮層生成時の温度と転換時の温度の両方に転換速度が依存することを明らかにした。この温度依存性の解析を基に、凝縮層の局所構造と格子振動に関連付けて水素の核スピン転換機構を考察した。また、一酸化炭素凝縮層、希ガス凝縮層、アモルファス氷の内部及び表面に水素を束縛し、核スピン転換測定を行った。特に、一酸化炭素凝縮層内部では、複数の束縛サイトを同定し、それらの間の水素の拡散を観測した。
メタン分子から成る結晶には高温相(I)と低温相(II)が存在する。これらの内、低温相(II)の赤外吸収スペクトルは、メタンの回転及び秤動運動に起因する複雑な構造を有し、その帰属は未だ確立していない。そこで、核スピン転換に伴うスペクトルの時間変化及び温度変化を測定・解析することで、倍音である2v3、2v4、結合音であるv3+v4の振動数域について、スペクトルの帰属を決定した。さらに、核スピン転換の解析と対称性の考察を基に、低温相(II)の新たな分子配向モデルを考案した。
水分子の同位体置換種であるD2Oを希ガス凝縮層内に捕捉し、オルソ異性体とパラ異性体に由来する赤外吸収信号を分離して観測した。それらの信号強度の時間変化を解析することで、核スピン転換速度を決定した。転換速度の温度依存性を、H2Oの場合と比較して解析することにより、核スピン転換に伴う回転緩和の経路を明らかにした。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)

  • [学会発表] 水素結合クラスターの超高真空下テラヘルツ・赤外分光2022

    • 著者名/発表者名
      山川紘一郎,那須裕一,鈴木菜摘,清水元希,荒川一郎
    • 学会等名
      第32回MRS年次大会
  • [学会発表] 分子の核スピン異性化とクラスター化に関するテラヘルツ・赤外分光研究2022

    • 著者名/発表者名
      山川紘一郎
    • 学会等名
      2022年度日本分光学会年次講演会
    • 招待講演
  • [学会発表] Infrared-spectroscopic study of the photolysis in CO-X ice with use of isotopologues2022

    • 著者名/発表者名
      Akemi Hirayama, Ichiro Arakawa, Koichiro Yamakawa
    • 学会等名
      22nd International Vacuum Conference
    • 国際学会
  • [学会発表] Non-destructive observation of nuclear spin conversion in diatomic and polyatomic molecules2022

    • 著者名/発表者名
      Koichiro Yamakawa
    • 学会等名
      1st Workshop on Molecular Dynamics at Surfaces
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2023-12-25  

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