合金で顕著な機能特性の向上が報告されている高エントロピー効果(複数元素の等量固溶体による想定内および想定外の特性の変化)に着想を得て、パイライト型構造を持つ金属硫化物および金属セレン化物において、その高エントロピー効果を検証した。硫黄やセレンの揮発を抑え、かつ高温からの急冷が可能な高圧合成法により等量の3d4d遷移金属が4種以上で含まれる金属硫化物および金属セレン化物を合成した。イオンサイズの著しい大小がない場合は、均一な固溶体が形成されることが明らかになった。合わせて、その結晶構造、電気伝導性、磁性などを調べ、母物質と比較検討した。
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