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2022 年度 実績報告書

ライブラリ探索と機械学習に基づくペプチド触媒の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K05487
研究機関東京大学

研究代表者

工藤 一秋  東京大学, 生産技術研究所, 教授 (80251669)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワードペプチド触媒
研究実績の概要

一昨年度に見出されたN末端グアニジル化ヘリカルペプチド触媒について,その可能性を検討した。すなわち,多種の塩基触媒反応について,ペプチド触媒が非共有結合的に基質を活性化して反応の立体選択性を制御することを試みた。その結果として,脂肪族ニトロオレフィンに対するクロロマロン酸ジエステルのMichael付加が最高82%eeでエナンチオ選択的に進行すること,生成物を強塩基で処理することにより立体特異的にシクロプロパンに誘導できることを見出した。一方で,グアニジン部位をプロトン化して得られるグアニジニウムイオンをカチオン-π相互作用サイトに見立てた新たな触媒反応も検討したが,思わしい結果は得られなかった。別の方向性としては,昨年,N末端グアニジル化ヘリカルペプチド触媒による面不斉4-(2-ニトロビニル)[2.2]パラシクロファンの高効率速度論的光学分割を見出したことから,ペプチド触媒に固有の領域を開拓すべく,軸不斉化合物ならびにヘリカル不斉化合物についても速度論的光学分割を試み,現在までにいずれも中程度のエナンチオ選択性で反応が進行することを見出している。その際,軸不斉化合物で基質として用いたビアリール型化合物と触媒との間でCH-π相互作用がはたらいている可能性が示唆された。一方で,本研究の主部をなす,ライブラリ探索の結果をもとにした,互いに大きく配列・鎖長の異なるペプチド触媒群を対象とした機械学習による解析については,思うような進展を得ることができなかった。これについては今後引き続き検討を行う予定である。
研究機関全体を通じて,当初目的である機械学習によるペプチド配列と触媒機能の関連性ついての明瞭な知見を得ることはできなかったが,非共有結合的に基質を活性化するペプチド触媒の開発については一定の成果を得ることができた。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Synthesis of 2-trifluoromethylated 3-pyrrolines/pyrrolidines via [3+2] cycloaddition of azomethine ylides with the participation of 3,3,3-trifluoroalanine2022

    • 著者名/発表者名
      Q. Liu, I. Yoshikawa, K. Kudo
    • 雑誌名

      J. Fluorine Chem.

      巻: 264 ページ: 110061

    • DOI

      10.1016/j.jfluchem.2022.110061

    • 査読あり
  • [学会発表] マロン酸ハーフチオエステルを用いたα,β-不飽和チオエステルの効率的合成法の開発2023

    • 著者名/発表者名
      川崎 駿、赤川 賢吾、工藤 一秋
    • 学会等名
      日本化学会 第103春季年会
  • [図書] Chapter 5 ASYMMETRIC PEPTIDE CATALYSIS in "Catalytic Asymmetric Synthesis, 4th ed."2022

    • 著者名/発表者名
      Kazuaki Kudo
    • 総ページ数
      912
    • 出版者
      John Wiley & Sons, Inc.
    • ISBN
      9781119736394

URL: 

公開日: 2023-12-25  

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