研究課題
基盤研究(C)
本研究では、3d遷移金属に適した不斉配位子の新たな設計指針の提唱を目指して、合成化学的制約から発展途上であるP-キラル配位子に着目し、その汎用的合成法の開発と錯体合成を検討した。その結果、多様な配位部位を有する配位子群の高効率合成法の確立に成功し、一部の配位子ではモデル錯体合成を通してその独自の機能を見出した。目的の3d遷移金属錯体の創製には至らなかったが、本目的に資する重要な知見が得られた。
有機合成化学、有機金属化学
元素戦略的観点から、従来の貴金属を代替する3d遷移金属触媒の開発が求められているが、医農薬品の創製に必要な不斉合成への展開は限定的である。本研究では、「3d遷移金属触媒専用配位子」とでも呼べる独自の配位子を設計し、それらの合成法を確立するとともに、モデル錯体を用いて配位子の特性の一部を明らかにした。本知見を基に有用3d遷移金属触媒の創製を行うことで、持続可能な有用物質供給基盤の構築に繋がると考えている。