研究課題
基盤研究(C)
アルケニル側鎖を有するフェノール類を基質とし、超原子価ヨウ素試薬を酸化剤として用いた、酸化的芳香族求核置換反応による二環性骨格構築法を開発した。アルケニル側鎖の長さの異なる基質、フェノール部に種々の置換基を有する基質、アルケンの置換様式の異なる基質、アルケニル側鎖にヘテロ原子を有する基質から、さまざまな脂肪族、複素環の二環性化合物の合成に成功した。開発した反応の生物活性物質合成への展開として、リポキシゲナーゼ阻害活性を有するテトラペタロンAの六/五員環部の合成に適用し、その合成を達成した。
有機合成化学
炭素-炭素結合形成反応は、医薬品や生物活性有用物質、機能性物質の合成において、その骨格を構築する中心的な化学反応であり、その新しい方法論の開発は、これら化合物の効率的合成、新しい物質創製、機能性の創出を実現する重要な研究課題である。本課題で開発した酸化的芳香族-アルケンカップリングによる炭素-炭素結合形成反応は、医薬品や生物活性物質に含まれるさまざまな脂肪族、複素環の二環性化合物の合成に有用で、これらの供給と創製に大きく貢献する。