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2023 年度 実績報告書

非配位性アニオン・キラル四炭素置換ボレートによるカチオン種の不斉認識

研究課題

研究課題/領域番号 20K05508
研究機関新潟大学

研究代表者

田山 英治  新潟大学, 自然科学系, 准教授 (90372474)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードキラルボレート / 第四級アンモニウム塩 / キラルアニオン / キラル識別 / 不斉認識 / 光学活性
研究実績の概要

研究代表者は4つの光学活性ビナフチル部位から構成されるキラルボレートを各種合成し、これらを第四級アンモニウム塩に対する不斉認識剤として利用する研究を行ってきた。
前述のキラルボレート合成の最初の例は2017年にPommereningらにより報告されており、光学活性ビナフチル部位とホウ素原子を繋ぐリンカーとして、テトラフルオロフェニル基が用いられた。研究代表者はこれに対し、キラルボレートの合成を容易にするためにプロパルギルエーテル基をリンカーとしたキラルボレートを合成し、その不斉認識剤としての利用を2019年と2022年に報告している。前述のリンカーにはそれぞれ長所と短所があり、テトラフルオロフェニル基をリンカーとしたキラルボレートは良好な不斉認識能を有するものの、合成に手間とコストがかかることが欠点であった。プロパルギルエーテル基をリンカーとしたキラルボレートは、合成容易かつ低コストであるものの不斉認識能が若干低いことが欠点であった。更に両者それぞれに合成上の特徴があることで、目的に応じた構造チューニングに制限があった。2023年度、テトラフルオロフェニルエーテル基をリンカーとすることで、それらの問題点を解決したキラルボレートの合成法を確立した。
光学活性ビナフチルの2位にテトラフルオロフェニルエーテル基、2’位に各種置換基を導入した前駆体からキラルボレートを合成し、ラセミ体バリンから調製した第四級アンモニウム塩とのイオン交換を行った。得られたジアステレオマー塩のプロトンNMR測定を行い、α位プロトンの分裂幅を測ることで、それぞれの不斉認識能を評価した。2’位に2-ナフチル基を導入すると、テトラフルオロフェニル基をリンカーとしたキラルボレートと同レベルの不斉認識能を示すことがわかった。この研究成果は2024年度に発表できる見込みである。

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公開日: 2024-12-25  

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