ピリジン環有する多点認識型NHC配位子と銅塩によるイミンの不斉ホウ素化反応について検討した。申請者はこれまでにピリジン環有する多点認識型NHCを開発し,様々な不斉反応に展開してきた。しかし,多点認識型NHC前駆体となるピリジン環有するトリアゾリウム塩は触媒としての利用のみであった。そこで,ピリジン環有するトリアゾリウム塩の不斉配位子への展開を検討し,実際に,イミンへの不斉ホウ素化反応における不斉配位子として用いることで,生成物のα-アミノホウ酸誘導体を最高60% eeで得ることに成功した。また,本反応においてピリジン環が生成物の立体選択性の向上に関与していることも示すことができた。
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